そんなもんでしょう

子どもを花粉症にしないための9か条(by 理化学研究所・アレルギー科学総合研究センター長)

2月23日に横浜市理研横浜研究所で報道関係者を対象に開かれた「製薬協プレスツアー」(主催=日本製薬工業協会)で、谷口センター長は「スギ花粉症ワクチン開発」と題して講演。この中で、▽生後早期にBCGを接種させる▽幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる▽小児期にはなるべく抗生物質を使わない▽猫、犬を家の中で飼育する▽早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす▽適度に不衛生な環境を維持する▽狭い家で、子だくさんの状態で育てる▽農家で育てる―の9か条を紹介した。

私には「かなり当たり前に感じる結論に聞こえる。なんとなくそう感じていたことにきちんと説明がついた。それは大変な科学的努力のたまものであろうし、その道の権威が言うと説得力が違う(=オスミツキ)。以前どこかの学会で、寄生虫を宿すような不潔な生活をある意味推奨していたF先生を厳しく批判する意見が言われていたが、科学的な裏付け・説明が許容できたか否か、という違いはあっても、今回と言いたいことの骨子にそれほど違いはないような気がする。要は不必要に清潔を求める生活がむしろ免疫系の機能不全を引き起こしやすい、ということだろう。では「適度な」不潔さはなんだ? 適度という言葉を使うことこそが、「少しは不潔にしてたほうがいいんじゃない?」という考え方のまともさを殺してしまいそうだ。なんでも制御下に置こうと躍起になることこそが問題なのかもしれない。そのうち、過度な抗菌グッズへのアンチテーゼとして、「適度な不衛生さの診断キット」とか、「シュっと一拭きで適度な不潔さとなってアレルギーも撃退!」とかアホな商品が出てくるのではないかな。
今、日本で幅を利かせつつある「キレイキレイ」「安心・安全」が行き過ぎればそれ自体が新たなリスクをもたらす可能性があることには注意しなくては。うーん、私はいったい誰に何を言いたいのか、だんだんわからなくなってきたぞ。でもこのニュースを読んだ時の、この痛快さはなんだろう。