せつない

9月7日の朝日新聞より

日本の論文、「質」9位転落
日本の科学系論文の質の向上が最近10年間頭打ちで、質を示す指標は4位から9位まで落ちたことが「エルゼビア・ジャパン」の調査で分かった。論文の数も2位から5位に転落した
…(中略)…
エルゼビア・ジャパンの三木律子代表取締役は「論文の質の向上には数の増加が必要だが、日本では増えていない。国立大学の法人化で研究者が雑務に追われ、研究時間が減ったことが影響しているのではないか」と話している。

「質の向上には数の増加が必要」というのが本当かどうかはわからないが、法人化された大学で研究時間が減った、と実感している身として、そのようにエルゼビアが言ってくれたことを援護射撃と感じる半分、切なくも感じる。社会に向けては、研究者や大学自身があまり訴えてこなかったのが問題かもしれない。ただ、文句ばかり言って睨まれるのは怖いとか、前向きでない発現はし辛い、という痩せ我慢をしてきたのだろう。

同じ誌面に、「博士課程の定員削減 必要?」という記事もある。3氏が反対/賛成意見を述べておられる。

  • 大学院定員を増やしたら、様々な学力レベルの院生も受入ることになったのに、指導する教員は増えていない。
  • 大学教員の需要はそれほど増えなかったし、日本では博士の社会的評価が低いまま。

→そうかもしれないが、要は、博士定員を増やす一方で、大学教員を減らすような政策を同時に進めてきたのが問題だったのでしょう。

  • 就職難などで批判が高まったから減らすのは場当たり的
  • 「就職先がないから就職先を増やす」ことこそ正しい政策

→こちらの筋が通っていると思う。