HPLC部品交換

ウ○ーターズの650E Protein systemのポンプヘッド後から少しずつ溶媒が漏れてきていた。これはプランジャーシールがへたっていると解釈し、部品を取り寄せてやっと交換した。(この装置はすでに製造中止(Discon.)で、保守期間も終わっており、世界に於ける在庫で最後の2個のプランジャーシールを入手することができた。ラッキーというか危ないところであった。)

交換手順の備忘録
(日本語マニュアルの記載は古いのであまり当てにならない。部品構成などの図は、英語マニュアル(Installation & Maintenance Guide)のp4-5〜4-10にある記載が正しい。)

  1. 20%EtOHを十分送ってポンプを洗浄。
  2. Inletバルブポジションをinjectに移動(さもないと、繋がっている溶媒がサイホンの原理で溢れてくる)。
  3. ポンプヘッドからinletとoutletのチューブを外す。とくにinletチューブは肉薄で弱いので折り目が付かないように注意。
  4. ポンプヘッドのネジを六角レンチで緩めて外し、ポンプヘッドを真っ直ぐ前に引いて取り外す。
  5. ポンプヘッド裏側にはまっている3枚のプラスチック製ベアリング(ワッシャ?)とプランジャーシールをほじくり出す。(Seal insertion tool stand tipを突っ込んで少しずつこじながらはずす。プランジャーシールはかなり堅くはまっているので、tipの先端に薄くパラフィルムを巻いてから突っ込むと適度な摩擦が生じて、こじって出しやすくなる。)
  6. 新しいプランジャーシールとベアリング3枚をstand tipに装着する。特にベアリングの裏表の向きに注意。(p4-10, Fig. 4-3を参照)
  7. ポンプヘッドを据え付ける。Inlet/Outletチューブはまだ接続しない。
  8. 0.5 ml/mlでポンプを動かし、プランジャーのindicator rodが滞りなく自由に動くことを確認。引っかかるようだと、ヘッドが正しい角度で装着されていない。
  9. Inlet/Outletチューブを接続し、300〜500 psiの圧力がかかるように試運転して漏れがないことを確認。

(必要に応じて、ポンプヘッド装着前に今回はポンプヘッド裏や本体に少し付着していたサビや汚れを除去する。)