ひどい話

今日の朝日朝刊の「プロメテウスの罠」で関連記事を読んで闇然とした気持ちにさせられた一見。
こちらのブログより。

東電のトンデモ主張「放射性物質は落ちた土地のもの」

 興味が湧きましたので調べてみました。

まず、報道記事

福島ゴルフ場の仮処分申請却下=「営業可能」と賠償認めず−東京地裁
 東京電力福島第1原発事故でゴルフコースが放射性物質に汚染され、営業できなくなったとして、福島県二本松市のゴルフ場「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部岩代コース」の運営会社など2社が、東電に放射性物質の除去と損害賠償の仮払いを求めた仮処分申請について、東京地裁(福島政幸裁判長)は14日までに、申し立てを却下する決定をした。2社は同日、東京高裁に即時抗告した。
 決定で福島裁判長は、ゴルフ場の土壌や芝が原発事故で汚染されたことは認めたが、「除染方法や廃棄物処理の在り方が確立していない」として、東電に除去を命じることはできないとした。
 さらに、ゴルフ場の地上1メートル地点の放射線量が、文部科学省が子供の屋外活動を制限するよう通知した毎時3.8マイクロシーベルを下回ることから、「営業に支障はない」と判断し、賠償請求も退けた。(2011/11/14-20:08)

 まさしく、トンデモ判決です。政府が内部被曝をとことん無視するために、このような安全基準を持ち出しているのでしょうが、1.3μSv/hrを上回るようであれば、全面マスクが必要なエリアであり、このゴルフ場でプレーするには、放射能防護服を着て、全面マスクをするしかありません。
 どこかの裁判長のように、東芝にでも就職する気でしょうか。この福島政幸裁判長は・・・ 

 もっと詳しい内容が、atom-tokyoさんのブログに紹介してありました。朝日新聞のプロメテウス

朝日新聞に連載されてる〜「プロメテウスの罠」〜の欄から「無主物の責任」とは?!
放射能は誰のものか?この夏、それが裁判所で争われた。
8月、福島第一原発から45キロ離れた二本松市のゴルフ場が東京電力に、汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に申し立てた。「事故の後、ゴルフコースからは毎時2〜3マイクロシーベルトの高い放射線量が検出されるようになり、営業に障害が出ている。責任者の東電が除染をすべきである。」
対する東電は、こう主張した。「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって、東電は除染に責任をもたない。」
答弁書で東電は放射性物質を「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」としている。無主物とは、漂う霧や海で泳ぐ魚のように誰のものでもないと言う意味だ。つまり、東電としては、飛び散った放射性物質を所有しているとは考えていない。したがって検出された放射性物質は責任者がいないと主張する。さらに答弁書は続ける。「所有権を観念し得るとしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に符合しているはずである。つまり、債務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない。」
飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地にくっついたのだから、自分たちのものではない・・・そんな主張だ。
決定は10月31日に下された。
裁判所は東電に除染を求めたゴルフ場の訴えを退けた。ゴルフ場の代表取締役は、東電の「無主物」という言葉に腹がおさまらない。「そんな理屈が世間でとおりますか?!無責任きわまりない。従業員は全員耳を疑いました」7月開催予定だった「福島オープンゴルフ」の予選会もなくなってしまった。通常は年間3万人のお客でにぎわってるはずだ。地元の従業員17人も9月いっぱいで退職してもらった。「東北地方でも3本の指に入るコースといわれてるんです。本当に悔しい。除染さえしてもらえればいつでも営業できるのに」
東電は「個別の事案には回答できない」(広報部)と取材には応じていない。


 まあ、見事な主張です。このような凡例がまかり通るならば、全ての公害裁判は無罪。もちろん、水俣病も無罪となるでしょう。あまりにもトンデモ判決過ぎて、論評する気さえ失せます。裁判官もですが、このような主張を堂々と述べる東京電力−このような会社を存続させるのは、本当に公益にかなうことなのでしょうか。
 東電の建物に排泄物をつけたあとに、こういいましょう。
「所有権を観念し得るとしても、既にその排泄物は東電の土地に符合しているはずである。つまり、私が排泄物を所有しているわけではない。」

 もっとも、除染するように東電に命じたところで、何の変わりもありません。放射能の除染が不可能なことは、既に米国、ソビエトが証明してくれています。