戦略とは

宋文洲さんのメールマガジンに興味深い話があった。

1. 論長論短 No.204
忘れがちな戦略の基本

<中略>

漢字の戦略とは「何をどう上手くやるか」という意味ではありません。
やらなければならない多くの課題を直視し、「如何に不要の戦を略するか」
という意味
です。英語のStrategyも「何をしないかを決める」ことです。

このため、組織のトップはいろいろな利益を背景にする人達が思う「重要な
こと」をやめさせる覚悟と能力が必要であり、それに伴うマイナス効果も
受け止めなくてはなりません。中間管理職はそのような責任も視野も能力も
ないはずです。

日本のメディアも好んで戦略を使うのです。よくよく読むとアイディアや構想、
場合によっては空想に過ぎないのに戦略と語ってしまうのです。

しかし、実は日本社会で語られている戦略の語意に徹底的に足りない基本が
もう一つあります。それは時間軸の長さです。1〜3年の話は正直言って戦略と
言わないのです。今年にどうするかは戦術にもならず、状況対応に過ぎないと
思います。10年、20年、そして30年の時間単位で考えて何をやらないかを
決めるのが戦略です。

そもそも私は特に戦略なく生きてきたので、戦略の意味を理解しようとしたこともなかった。ただただ周りで飛び交う「戦略」という言葉に違和感を感じてきた。
今、少し意味がわかった気がする。「何をしないで済むか」を正しく判断するのは非常に難しいことも想像できる。その日暮らし、あるいはせいぜい「その週暮らし」で凌いでいる日々から脱することができるか?