インドでの留学フェア参加記

7月31日
第一の躓きは、前夜ラボで学生と遅くまで飲んでしまい、ほぼ二日酔い状態で旅に望んだことである。福岡→バンコク便ではまだよかったが、バンコク→ムンバイ便ですでに寒気に襲われていたのは、おそらく二日酔いで胃腸を含めた体調が破綻しつつあったのであろう。二次的には、バンコクでのトランジット中に受けたマッサージ(足+肩)の影響もあったかもしれない。どうも揉み返しがきつかった気がする(執拗な背中の痛みだけでなく、全身症状として…)。
ムンバイ到着時には立っているのがやっと、というくらい困憊していたので、同行のSさん、T先生からずいぶん心配されてしまった…
ムンバイのホテルもイマイチで、ベッドがなんとなく湿っぽくて、寒気・悪寒を倍増させてくれた。感覚的には、私の熱でベッドを乾かしてたんじゃないか?と思うほど。

8月1日
ムンバイからプネーに移動した頃には、お腹もゴロゴロし始めていて、いつ下痢が始まってもおかしくない状況だった。プネーでの夕方、D君のお父さんにいろいろ案内して頂いていた時は、このお腹が気になってあまり食べられなかったなぁ。案の定、夜半には下痢が始まったが、これがインド料理のせいではないことは明らか。
ホテルはマリオットで、部屋は素晴らしかった。ただし、冷房が効きすぎており、それを切ってもなかなか部屋の温度が上がらず、寒さは体に堪えたなぁ。

8月2日
プネーでのフェア会場まではリキシャで。寒気・だるさなどの症状は癒えていたが、お腹の具合は不安なまま。会場のMITキャンパスのトイレはなんとなく恐ろしげで、安心して座ろうとは思えなかったが、まあ、なんとか持ちこたえました。
フェアのブースは、1大学1教室という割当てだった。全部で500人程度の参加者だったそうだが、九大には80人くらい来たかな? D君のお父さんと妹さんが来てくれた。妹さんは農学部国際コースを受験するかも、ということで説明にも力が入った。が、基本的には、ほとんどの来訪学生の興味は機械工学(ロボティクス)、コンピューターサイエンス、あるいはMBAであった。
プネーでのフェア参加の最大の目的は、実は、私のラボのPhDコースに入りたいといっているHarshaさんと面会することだった。Harshaさんは南部のKelara州からお父さんと訪ねてくれた。なんと列車で28時間かけてきたそうである。絶句した。
Harshaさん一家の経済状態などまでお聞きして、なんとか国費奨学金を得たいとの気持ちは理解した。来年のアプリケーションを楽しみにしましょう。Harshaさん自身は、宮崎大学I先生との共同研究の一部を担当した経験があり、しっかりした技術と高いモチベーションを持っていることがわかった。
フェアが終わった後に、主催者(MOSAI=インドの国費留学生協会)と参加大学関係者との夕食会に出席した。美味しい南インド料理と興味深いお話でスパークリングワインが進んだ。特に、テーブルを共にした立命館大学のTさん、プネーの人材コーディネーターであるUさんとは話が弾んだ。
おかげさまで胃腸が休まることはなく、ゆるいままであった。ついでに時折訪れる胃痛にも苦しみ始めた…

8月3日
ニューデリーへの移動日である。午前中は部屋でゆったりと休憩しながら、パソコン仕事をこなした。体調もかなり戻ってきた。もう寒気は完全に消え、あとは緩めのお腹と胃痛だけ。
ニューデリーでは、夕方、国際コース1,4年生のP君/P君のお父さんが、夕食に誘ってくださった。かなり正統的なインド料理を、おいしいビールとともにいただいた。話もとても弾み、もっと国際コースを発展させよう!と強い気持ちを持つことができた。お腹は完全に復調した、とこの時は感じたのだが。

8月4日
朝からなんだか体調がおかしかった。ガス欠気味な感じ。で、11時近くに押し寄せてきたたくさんの学生に大声で説明している最中に、急に目眩と脂汗に襲われ、眼前がかなり白く霞んできた。トイレへ、とロビーに上がっていったが、とても歩ける状況ではなくなって、空いたソファーに座り、まもなく横たわり、10〜15分間ほど悪寒に耐えていた。じっとりと脂汗を流していたが、そのまま11時半から始まる開会式典に降りて行き、朦朧としたまま座っていた。
1時間ほどで体調は回復し、ブースでの通常の説明業務に戻ることができた。が、エネルギー不足感は最後までかわらないままだった。
フェアが16時頃終わった頃には、再び元気が出てきたので、近所のスーパーまでSさん、Tさんと歩いて買い物に出かけたりした。Sさんがホテルと交渉して、プールサイドのシャワー室を無料で使えるようにしてくれた。これはありがたかった。やっぱSさんのようなロジ支援員が同行してくださると本当に頼りになる。
その後夕食にでかけ、中華風レストランで美味しく優しい料理を堪能した。
ホテルに戻り、21時までソファーで気を失っていた。その後タクシーで空港に移動し、チェックイン後、1時の夜行便で成田に戻ってきた。かなりボロボロに疲れた体に、まったくリクライニングしないシートでの夜行便は堪えた。

なんだか体調悪いままでぼろぼろな旅をしただけにも見えるが、やはり今回のフェア参加で、インドが優秀な留学生のソースとして今後とも有望であることはよくわかった。農学、バイオを志望する学生に出会う頻度は少なかったが、これは開催都市にも関係があるのかもしれない。今後、農学部としてどの都市でプロモーションを行うのが効果的かなど、さまざまな戦略を寝る必要がある。