Emotionally shaken

Sさんが講義室で倒れたという知らせで、その類いの心配が抜け落ちていた頭をどつかれた気がした。駆けつけてみると、たくさんの方々が心配してお世話してくださっていて、感謝の言葉もすぐには出てこないほどありがたかった。Sさんの際どいバランスをとる張りつめた日々と、それが今日は崩れてしまった落胆を思うと、ブルーな気分に陥った。ほどなくして、私の心配を慮ってか安心させるメールをくれた。いろいろな部門長としての片付け仕事の後に、セミナー。なんか久々に学生と勉強してる気がして興奮したな。
帰宅して久々にTVを見ると、視覚障害(盲目)の子供たちが撮影した写真展の紹介に心を奪われた。視覚がないかわりに、彼らはとびっきり敏感な聴覚・嗅覚・触覚を研ぎすまし、そのアンテナがとらえたものの姿を写真として私たちに見せてくれる。その写真のフレームの鋭いこと。アンテナがとらえた標的がピタリと収まり、さらに飛出してきそうな勢いだ。いろいろ気持ちを揺り動かされた1日を終えた後だからか、なぜかあの写真たちが引き金となって涙が止まらなかった。あの写真たちを、撮影した彼らはおそらく一生見ることができない。代わりに見ることができた私たちは、あの写真が示す姿を、撮影した彼らの脳の中に像を結ぶような言葉に翻訳することができるだろうか。
こんな気分で床にはつきたくないな、と思って無理矢理ジョギングに。医系のラボから帰宅途中のNさんと出くわした。11時過ぎまで頑張ってるんだな。その情熱を忘れずにね。うれしい姿だった。