「わかる」ことと「身に染みること」

研究というか、実験を続けていると、その多くが失敗に終わることはよくある話し。70%以上の実験は「思い通りの結果にはいたらない」という意味で失敗に終わると覚悟しておいたほうがよい。それでも、その7割を越す失敗から「身に染みてわかる」ことを経験していくことは、単になんとなくうまくいくことよりもずっと大きな価値がある。頭でわかったような気になっていても、心の底から理解するには至らない場合が多い。研究室を預かる身としては、学生諸氏に成功も失敗も「身に染みてわかる」体験をできるだけ積ませてあげたいと思う。自分を振り返ると、そんな否が応でも体に染みついてしまったものこそがしっかりとした経験・知識として自分に残ることは間違いないと思う。