注目コメント

九州電力松尾新吾会長
Asahi.comの記事より

定期検査中の原発の運転再開が遅れていることについて「車検の済んだ車に乗るなというようなもの。エモーショナル(感情的)な側面がもたらした一種の風評被害」と述べた。

本日の朝日新聞朝刊33面より

九電は電力会社として技術が高い。
(中略)
車検を済ませたクルマ(玄海2、3号機)に乗るなという一方、車検を控えたクルマ(玄海1,4号機)は動いている。エモーショナル(感情的)な…(後略)

反論

  1. 福島第一原発が引き起こした災害により、電力会社・地方自治体・国が唱える「安全対策は万全」の信憑性が崩れ去ったのに、新たな安全対策が終了してもいない現時点での安全宣言には意味が無い。
  2. 電力会社としての技術の高さに対する信頼感も消えているを考慮していない。もちろん技術の高さを裏付ける証拠が述べられているわけでもない。
  3. 車検済みのクルマでもダメ、と主張する人のほとんどは1,4号は動かしててもOKと言ってるわけではない。周辺住民などの不安や危険であるという警告を無視して動かし続けているのは九電自身であり、九電が矛盾を訴える根拠はない。
  4. きちんとした対策を施さずに再稼働すべきでない、対策されていない炉は停止させるべき、という主張はほとんど感情的ではない。主張にロジックを欠くのは国と電力会社側である。
  5. 国は「安全性は国が保証する」と佐賀県玄海町を説得したそうだが、過去に同じ言葉で保証してきた安全性がウソだった、あるいは完全に不十分なのに放置してきたのに、同じ言葉で説得されるとは子供じみている。また、国が保証してくれる内容、とってくれる責任は、現在の福島県の状況をみると、反故にされる可能性が高いと思われる。また、責任など誰がどれほどとってくれたとしても実際に起きた被害が無かったことにはならないことは、今回の原発震災で明らかになってしまった。国が取り得る責任、政治家が賭けうる政治生命の軽さはすでに明らかである。