Ouchterlony testの結果

ばっちり(といっても期待したほどクリアーではないが)沈降線はでた。これを写真にとって記録したい。薄いアガロースゲル中に生じた白い抗原抗体の沈澱(沈降線)を写真にとるのはちょっと面倒である。これまでは洗浄後、沈降線のみをアミドブラックで染めてからスキャンしていたが、今日はこの沈降線を切り取るので、染めるわけにも行かない。ということで、急遽、沈降線観察・撮影用のライトボックス(=イムノビューアー)を製作した(工期20分間+黒い紙を買いに15分間)。
段ボール箱に適当な窓を切り抜き、ネガフィルム観察用の白色蛍光灯boxを横からあてがった。
見栄えは悪いがちゃんと観察できたのでOK。片側からしか光を当ててないので、露光ムラはあるが、写真もとれた。
沈降線を沢山切り抜くには、オルファ・デザインナイフを使用。細かい仕事で目が疲れたなー。2ヶ月近く前の右手中指骨折の影響があって、いまいち器用にナイフを繰れないのがもどかしい。近接して並ぶ沈降線(0.5〜1 mm間隔)を切り分けるのは断念。
あとは沈降線を含むゲル片を生理食塩水で2,3日あらってからSDS-PAGE。たーくさんゲル片があるから、いろいろ条件検討ができそうだ。N末が読めますように。血清のロットを数種試したが、2〜3本の沈降線が生じるロットが多かった。おもしろいことにザイモサン処理で補体を不活化した血清は、1本の沈降線のみを生じた。この違いがSDS-PAGEで分かるといいが。

↑段ボール製イムノビューアー(箱の中には黒い紙を敷き、白色光が斜め下からゲルに当たり、上から黒色をバックにゲルを観察・撮影できる

↑撮影結果。Wellの間に斜めに走る白線が抗原抗体複合体の沈澱(沈降線)。ウサギ抗血清とコイ血清(溶血していて橙色に見える)が交互に入っている。段ボールの切断面が写っているのはご愛敬。

↑沈降線を切り抜き後(同様なゲルを計4枚処理して沈降線を含むゲル片を回収した)。