Sさんとの会話(和訳済み)

  • Sさん「SDS-PAGEのゲルのfixationはどれくらい必要?」
  • MN「fixation??? 固定は染色液に入ってる50%メタノールと10%酢酸で染色と同時に行われてるよ。」
  • Sさん「いえいえ、染色・脱色したゲルを乾燥させる前のfixationです。」
  • MN「乾燥前のfixation?? どうやって?」
  • Sさん「エタノールとグリセロールが入った液で」
  • MN「あぁ、あの10%エタノール-2%グリセロールはfixation用じゃなくて、乾燥の前処理液ですよ。もともと酢酸を含む脱色液中に入ってたゲルから酢酸を抜くためと、乾燥時のひび割れを防ぐグリセリンをゲルに少し含ませるためです。エタノールを少し入れるのは、ゲルが膨潤して大きくなっちゃうのを防ぐため。」
  • Sさん「じゃあ、この前処理液にどれくらい漬ければいいですか? 軽くゲルをリンスするだけでもいいですか?」
  • MN「だめだめ、きちんとゲルが前処理液と平衡化されるように、最低1時間は漬けておいて。もっと長くてもいいよ。3時間、一晩、2,3日でもたぶんOK。(そういえば、長すぎるとちょっとずつ脱色が進んでよろしくないかも。後で訂正しておこう。)

ということで、fixationという言葉が誤解のもとでした。お話しできて良かった。
私自身は、最近はCBBで染色したゲルは純水中でチンして脱色し、スキャナーで取り込むだけ。面倒なので乾燥させてないなぁ。なお、Ms/msなどによるアミノ酸配列分析には、ゲルを加熱するのは禁忌だそうだ。