「重点化」について

日本のサイエンスが欧米(特にアメリカ)に負けやすいのは、人とお金が大事な研究に集中しないからだ、と以前から言われている。GDPあたりの科学・高等教育予算がおしなべて低いし、いわゆる重点領域の研究を加速するだけの集中的予算措置も中途半端だ、ということだろう。
それでも、少ない総額からの重点領域への重点的研究費の流入は日本なりに行われている。むしろ、総額は少なくても(少ないからなおさら?)効率的にメリハリをつけて配分すべきで、ばらまきは良くないというのが現在のコンセンサスである。でもなぁ、と思う。

こちらで述べられている、

教育では最近、ゆとりというのが目の敵にされてていますが、研究面では「重点」という言葉で、たくさんのかけがえのない研究分野が死滅に向かっているような気がします。

という悪い予感をどれほどの研究者が(内心でも、うっすらとでも)感じているのだろうか。